目標(めあて)
全ての動作で「止まる」・「おしまい」を意識することにより、「区切りを感じられるようになること」を目指しています。
学齢期の子ども達は、親から少しづつ離れた環境の中で友達や仲間と出会い、その関係の中から自分の得意なことや苦手なこと、できる事や出来ない事に気付きながら様々な能力を獲得していきます。
感覚統合療法の基本的な考えでは、
- 子供たちが自分から求めている、楽しいと思える活動(やってみたい)を
- 子供たち自身が自分から能動的に行い(やらされるのではなく)
- うまくいったと実感できること(成功体験)
この3つがそろっている時、感覚統合機能が最も発達する、と考えられています。
ルナもりのこびとたちの活動も、子どもたち一人ひとりが「楽しい!」と思えるものになっています。個別指導により、一人ひとりの感覚入力をうまく整理し、子ども自身が色々なことに気がつけるよう、また適切に自分の身体を動かせるようになるよう、感覚入力の方法(触り方、揺らし方など)を微妙に調節したり、関わり方や指示の出し方、声掛けの仕方を工夫して、自己肯定感を育みながら子ども達の発達を支援します。
放課後等デイサービス「luna(ルナ)もりのこびとたち」活動の流れ
luna(ルナ)もりのこびとたちでは完全個別指導、かつ1回の利用者を3名までに限定し、一人ひとりの発達特性に応じたプログラムに取り組みます。
- あいさつ・準備体操
先ずは先生と挨拶をします。挨拶はコミュニケーションの基本です。気持ちよく挨拶をしてから始めます。準備体操では、自分の身体の動きを意識して、お手本と同じタイミングで同じように身体を動かす事を意識します。 - 歩行練習
音楽に合わせて「動く」・「止まる」ことが出来る様になる事を目指します。簡単なことのようですが、ほとんどのお子さんが恥ずかしがったり、ふざけたりしてきちんと取り組む事が出来ません。音楽をよく聞いて、また先生の指示を聞きながら、いつどの様な指示が出されても即座に対応しながら歩行します。 - サークル運動
足の裏を刺激して、地に足をつけて歩けるようになる事を目指します。サークル運動では「ここで10秒動かず同じ姿勢を保つ」「トランポリンを高速で10回跳ぶ」など、様々な指示に従って活動をします。どの子も「止まっている」・「自分の身体に意識を向ける」事がはじめのうちは難しく、中々上手にできません。一人ひとりに合ったアプローチ方法を模索しながら、「止まる」「自分自身を感じる」事が出来る様になるよう、取り組みます。 - 運動タイム
自分の好きな器具や道具を選んで、様々な運動を楽しみながら取り組みます。普段はあまり意識する事のない「固有覚」「前提覚」に刺激を与える活動を運動の中に取り入れながら、身体を通して脳に沢山の刺激を送り、運動をクリアーすることで、脳内の相互作用を促します。 - 工作タイム
手指の巧緻性、微細運動の発達を促します。触感に過敏があるお子さんには、その子が「大丈夫」と思えるような工夫をして少しづつ苦手な触感を克服できるように支援します。また、不器用なお子さんにはスモールステップで、一つ一つの動作を丁寧に指導。小さな成功体験を積み重ね、達成感を味わえるように取り組みます。 - 読み聞かせ・ごあいさつ
楽しく活動した後のクールダウンの時間です。「動」の時間と「静」の時間を組み合わせ、行動の切り替えがスムーズにできるようになるよう、また脳の覚醒レベルを適切に保てるように活動に取り組みます。
楽しい運動遊びは、脳を広く刺激する
脳と運動の関係
脳を育てるには感覚刺激が必要です。ゲームが好きで身体を動かす事が苦手なお子さんは、どうしても脳への刺激が「視覚」からの情報に偏ってしまいます。身体も脳も発達する成長期に、全身から様々な刺激を脳に送り、脳内で様々な刺激を適切に処理・統合し、適切な行動を行う経験が不足したまま育ってしまうと、物の見方が偏り、状況に応じて適切な判断・行動をとる事が難しくなってしまいます。
なんでも指1本、スイッチ1つで解決できる、誰にも頼らず日々の暮らしを送る事ができる便利な世の中になったこととは裏腹に、子どもの発達には様々な問題が生じています。便利さと引き換えに、現代社会においては、子どもの発達に必要な適切な環境を、保護者が考え、選択し、用意しなければならない時代になってしまいました。
ルナもりのこびとたちでは、作業療法士や早期発達支援士による指導のもと、子ども達の発達に必要な環境・器具を揃え、専門知識を持った指導員による個別指導によって、自尊感情を育みながら感覚統合・運動療法を通して、子ども達の発達を支援します。
子ども達が「楽しい!」「もっとやりたい!」「出来るようになりたい!」と感じられる様なプログラムを、その子の発達特性に応じて作成し、興味を持って楽しく取り組む事が出来るよう支援します。子ども達は、どの子も、楽しければ頑張れます!
写真は「発達障害の子の脳を育てる忍者遊び」のP94
完全個別指導で、比べるのは過去の自分
ブランコをしながら、感覚ボードに触れ、風船を小脇に抱えている男の子
ある日の休憩時間のひとコマです。プログラムの合間にはクールダウンを兼ねた「休憩」タイムを設けています。
水分補給をして「座って静かに過ごす」時間なのですが、このお子さんの様に、休憩時間にじっと座っている事が出来ず、何をしていいのかわからくなり、休憩時間なのに何かをし始めてしまう子がいます。あるお子さんの休憩時間の様子です。
・ブランコに乗り
・感覚ボードに触れながら
・風船を抱え
・片方のつま先で床を蹴り、反対の足でブランコを揺らそうとしている
という様子が見られます。
現時点では、「何もせず、休憩する」事がまだ難しい、という事がこの様子からわかると同時に、このお子さんにとって、これらの刺激はどれも魅力的で今の発達に必要な要素を含んでいる、という事もわかります。つまり、今このお子さんが手にしているもの、行っている事、には発達に必要な要素が沢山含まれているのです。
ルナもりのこびとたちでは、一人ひとりの様子をよく観察しながら、その子の発達特性や発達段階に必要な要素を含んだ魅力的な器具や道具、プログラムを用意して、子ども達の主体性を引き出しながら楽しく感覚統合に取り組みます。
子ども達に「今日はどんなことをするんだろう」と楽しくワクワク通ってもらえるような環境作りをして楽しく遊んでいるうちに、いつのまにか色々な事が出来る様になっている、というのが私たちの目指す成長の在り方です。